下書き1


変わらない暗証番号565
重い扉を開けると
そこは私が知っていた所ではなかった

ゴミ箱からあふれるゴミ
落ちているのか置いてあるのか分からないものたち
小汚さは相変わらずだったが
壁に掛かっている写真の顔ぶれを私は知らない
少し開いた窓からは風が吹き込む
しかし吹き抜ける道はない


私はもう一つの扉を開ける
暗い部屋
明かりをつける
ある程度の静寂と湿気
空気が肌にくっつく
私は知っている
壁にかかれた言葉言葉言葉…
私は知っている





扉の外から声がする
扉を開け部屋に戻るとみんながいた
私が驚き突っ立ていると
どうしたの?座りなよ
と、声が掛る
私は座る


気づくと、私は寝ていた
緩んだ蛇口を閉める
扉を開け部屋に出るとそこには誰もいなかった
落ちているのか置いてあるものかわからないものたちが
抜け殻のようにみえて


私は窓を開ける
部屋のものが舞う



おやすみなさい