2007.07.27

はじめの2日間の雨がまぼろしだったかのように
きのうもきょうも
まぶしすぎるくらいの空


庭では花が
燃える炎のように咲き狂っている
街にでてみようと
片道30分の森の小径を息子と二人で出かける


湖沿いの砂利道はまっすぐに伸びて
小さな家を隠すように生い茂る草や木が
誰かに見せようなんて下心なんてまったく無さそうに
惜しげもなく花を咲かせ、実をむすんでいる
アブラムシや蟻にその恵みを搾取されようと
それも恩恵の一部だというように
静かに佇み、されるがままになっている


その様子に引き込まれて
わたしも一瞬だけ人間であることをわすれる
けれどもすぐにすべてがわたしの中に戻ってきて
自分でつくり出したくせに
そこに属すべきものと思い込んだ価値観に閉じ込められる


待ちでお金を使い
ますますはっきりとわたしの世界をおもいだす


道ばたに咲いた
ちいさな紫の花をつけた雑草を摘む
アブラムシは生きるため
わたしは心が死なないように


夜、なんだかとてもぎこちない気持ちになる


夕食が終わると
いつもなら遅くまで沈まない太陽にかまけて
みんなと庭でいつまでも雑談をするのに
きょうはなんだか自分だけだ違いな気がして
早く部屋に引き返す


涙がでそうなくらい寂しい


小さな子がそばにいることで
寂しさは夕日を受けて長くのびた影のように
大きく見える
こんな気持ちになったことはほとんどないのに
遮るものがなさ過ぎて
見えないふりができない


話す相手は近くにいるのにそうしないで
それでもまだ誰かと話したいと思う
誰かというのはここにいる人ではなくて
わたしの中に住んでいる人だけだ


まっ先に思い浮かんだ人にすら
こんな
面倒臭い気持ちを打ち明けることがためらわれる


勇気を出してメールをする


1時間しないうちに返事が来る


そのことだけで
きょうを終え、眠りにつくのに十分なだけ元気になる